ポタオデと音楽

ポータブルオーディオ機器と音楽についての感想・レビューをぱらぱらと。

PORTAL -Galileo Galilei- レビュー

収録曲

PORTAL

PORTAL

 
  1. Imaginary Friends
  2. 老人と海
  3. Kite
  4. Swimming
  5. さよならフロンティア
  6. Freud
  7. Good Shoes
  8. 明日へ
  9. 星を落とす
  10. Blue River Side Alone
  11. 青い栞
  12. スワン
  13. 花の狼
  14. くじらの骨

USインディー+グッドメロディ

PORTALGalileo Galileiの2枚目のフルアルバムです。1枚目のフルアルバム、パレードでは純粋なロックバンドといった趣だったのですが、この2枚目にして彼らは大幅なシフトチェンジを果たしました。シンセをはじめとした電子音が随所に散りばめられた曲調が多くを占めるようになり、また、全体的に楽曲の速度をそこまで上げすぎず、落ち着きのある楽曲を増やしています。1曲目のImaginary Friendsからその影響は顕著に表れていて、この楽曲では多幸感あふれるシンセが楽曲をけん引し、絶妙にポップな味付けを呈しています。彼らはこのアルバムにおいて、ロックバンド+シンセの一つの回答をUSインディーの楽曲の中に見つけ、それを自分たちの持ち味とするべく突き詰めてきたのではないかと思わせるほど、各楽曲からはUSインディーの香りがプンプンとしています。

 

影響を受けた音楽を大々的にフィーチャーしようとしたときにありがちなのは、それが単なる元ネタの劣化コピーで終わってしまうということですが、Galileo Galileiはその劣化コピーの段階を乗り越え自分たちの血肉にまで昇華させている印象が感じられます。

USインディーの楽曲はともすればアレンジ偏重でメロディがないがしろにされているケースもあったりしますが、彼らは今までに培ってきたグッドメロディを基盤としてそこにUSインディーのアレンジのフレーバーを追加しており、どの曲もポップさにあふれています。まさにGalileo Galileiならではのアルバムに仕上がっているのではないかと思います。

 

またこのアルバムを語る上で欠かせない要素のもう一つとして大人気アニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の主題歌となった青い栞が収録されていることがあります。青い栞においてもUSインディー然としたアレンジは健在で、ギターのアルペジオとオルゴールのような音色に導かれて楽曲が始まり、その後は落ち着いたトーンのギターが速度を上げすぎず楽曲を主導していきます。また、曲の途中では女性コーラスも入る意表をつく豪華な楽曲構成となっています。この楽曲を聴くとどこかもの悲しさを感じさせる夏の青空に思いをはせることができるおすすめの楽曲です。


青い栞 Galileo Galilei

まとめ

1枚目のフルアルバム、パレードから大幅進化に深化。USインディーのフレーバーを感じさせるアレンジが優しく楽しい、グッドメロディの楽曲が詰まった一枚。